DJコントローラーで動作する何かしらをUnityで作ろう!~初歩編~
この記事は TUT Advent Calendar 2022 9日目の記事です。
はじめに
初めましての方は初めまして、そうではない方はこんにちは。北海道 函館高専出身で現在はTUT B3 3系所属のさわでぃーです。最近は寒さに磨きがかかってきたことも相まって体調を崩さないかハラハラしながら生活しています。*1
Advent Calendarということで(稚拙ながら)技術的なことを書いてみようと模索した結果、所有物で面白そうなことが出来そうな機材があったのでそちらを使用してちょっとした実装を行ってみようと思います。本当に面白いのかはさておきですが。
ちなみに当方初ブログ執筆です。お手柔らかにお願いします。
使用機材
- DDJ-FLX6
www.pioneerdj.com所謂DJコントローラー、このモデルはPCと接続して動作させるタイプとなってます。私は自身の所属する総合文化部 音楽技術部門(通称: テクノ部, TechnoTUT)というサークルで初心者ながらのDJ活動*2を行っており自前の物を所持していた訳ですが、実は後述の通りDJ用途以外にも使用することが出来たりします。今回のメイン機材。
- PC
DJコントローラーを接続して動作させるために必要となります。ある程度の性能*3を有していればデスクトップでもラップトップでもなんでも良いと思われます(てきとう)。
DJ用途以外の使用方法って?
DJコントローラーをただPCに接続しただけではDJは出来ません、専用のソフトウェアを介する必要があります。逆に言ってしまえば、専用のソフトウェアを介していない時のDJコントローラーは"何かしらの"信号を出力出来るだけの状態となっているという事です。では一体どんな信号送れるの?という話になるのですが、ここは大人しく公式より公表されている仕様諸々を見ることにしましょう。今回使用するDJコントローラーの販売元である Pioneer DJのサポートページからDDJ-FLX6のページを辿っていくとDDJ-FLX6 MIDI-Compatible Softwareという項目が。このページを見るに、どうやらDJコントローラーには任意の対応ソフトウェアにMIDIメッセージを割り当てることが出来るらしいですね。実際にコントローラーから出力されるMIDIメッセージ一覧も同ページにて公開されています。
以上から 何かしらの信号=MIDIメッセージ が出力されることが分かりました。今回はこのMIDIメッセージの割り当てが可能な性質を利用していこうといった記事です。
何を作ろうか
完全見切り発車が故に初手のここで万策尽きました、ありがとうございます。と言って投げ出すのはお門違いな気しかしないので、せめてもの成果物を錬成していきます。
個人的な意見ですが、DJコントローラーで何よりも目立つ箇所といえば両サイドの円盤パーツであるジョグホイールだと思っています。せっかくならそこで大々的に操作出来る要素があると良いかも…。などと色々ごちゃごちゃ考えた結果、ひとまずその箇所に動作を割り当ててみることにしました(雑!)。同時に昔軽く使ったゲームエンジン Unity の復習もしたかったので、それも兼ねて今回はDJコントローラーからの入力でスクリプトを介してUnity上でオブジェクトを動かしてみようという方針で進めていこうと思います。
使用ソフトウェア
前述の通り Unity( Version: 2021.3.14f1 ) を使用します。それに伴い言語はC#。
ちなみに初期状態だとUnityではMIDI入力には対応していません。今回は有志の方が作成したプラグインである MidiJack を使用してMIDI入力を受け取ります。
github.com上記プラグインの導入後、Unity上でMIDIの入力信号を確認出来るようになります。
MIDIメッセージが表示されているので、信号を受け取れていることが分かります。ここでMIDIメッセージ一覧より右ホイール操作時(今回はJOG DIAL R (Platter))のMIDI-INを参照すると、Status: 0xB1 / Data1: 0x22が送信されることが分かります。ホイールを時計方向に操作したときの基準値である0x41と併せて表示されていることからも、MidiJackによる信号の受け取りは正常なことが確認出来ました。
成果物
2Dプロジェクトを作成し、シーンの中央に正方形を配置します(下図参照)。この正方形をスクリプトによって動作させていきます。
2Dプロジェクトなのでオブジェクトの動作は上下左右の4方向とします。考えた結果、右ホイールには上下移動を、左ホイールには左右移動をそれぞれ回転方向によって場合分けすることで実装することとしました。ホイールの左右については完全に気まぐれ決定で、移動方向については回転方向から自然な流れになるような感じで行きます。
今回のホイールによるオブジェクト動作スクリプトを作成する上で必要となる情報は以下の通りです。
- ホイールのMIDI信号が送信されるチャンネル
- ホイールの回転方向(時計回り/反時計回り)の切り替わる値
- ホイールに触れているかどうかの判定値
プラグインの配布元にあったテスト用スクリプトやMIDIメッセージ一覧とにらめっこして、今回の場合では次のようなパラメータとしてスクリプトの記述を行います。
- 左ホイールのMIDIチャンネル: CH1、右ホイールのMIDIチャンネル: CH2
- 回転方向: 0.5基準と判断(時計回り0.5~ , 反回転~0.5だったため)
- 接触判定: 0(非接触) or 1(接触)
という訳で出来上がったスクリプトがこちらです!(3分クッキング)
※あんまり記述慣れしてないので粗雑なコードです、お許しください。
完成したスクリプトを正方形オブジェに割り当てて動かすと次のようになります。
手元と合わせて画面を見せたかった結果、手元は別撮りになってしまった図 pic.twitter.com/rYyfzUIGT9
— さわでぃー (@sawaD0038) 2022年12月8日
ホイールの挙動に合わせ、上下左右に動いているので成功です。
まとめ
- ひとまずホイールに操作を割り当ててみましたが、他の箇所が何もないのとパラメータ類がガバガバなので時間を見つけてなんとかしたいと思ったりしています。これで操作して遊べるゲームとか作れると面白そうかも。実用性があるかまではちょっと…。
- 慣れない事をそれでもやろうとする時は時間に余裕を持って作業しましょう。ぎりぎりにやると時間による焦りが発生する可能性が高いです(自戒①)。
- 機材は本来の用途でもしっかりと利用すべきです。私は最近まであまり使ってませんでした(自戒②)。
(おまけ)宣伝的な
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